「Glam Wave」はガラス、竹、陶器という異素材の作品が共演する作品展。参加していただく作家のアキノヨーコさん(ガラス)佐川岳彦さん(竹)正島克哉さん(陶器)にそれぞれの作品制作へのこだわりや扱う素材の魅力についてお話をうかがいました。
アキノヨーコさんは1973年東京生まれ。1996年に多摩美術大学美術学部デザイン学科立体デザイン専攻クラフトデザイン専修ガラスコースを卒業した後、SUWAガラスの里(諏訪/長野)ガラス工房STAFF、高橋禎彦ガラス工房(相模原/神奈川)アシスタント/制作を経て2002年にAtelier Akinoを神奈川県相模原に設立、2006年にガラス溶解炉を築炉し吹きガラスの技法でうつわを作ることを中心に活動しています。
Q1 作品制作へのこだわりについて
目に美味しい、手に優しい、毎日の生活が気持ち良くなる器を作りたいと考えています。
Q2 ガラスという素材の魅力について
作業時の溶けたガラスの「熱さ」「柔らかさ」と作品化した時の「冷たさ」「硬さ」のギャップがありすぎて面白いと思っています。素手で触ることのできないもどかしさを感じつつ、溶けて熱く柔らかいガラスが「形」になってゆく面白さがあります。テーブルウェアとしてのガラスの魅力は「人工的」な素材であるにも関わらず、他の自然素材(木・漆・陶器など)の器との相性が良い事だと思います。
佐川岳彦さんは1984年栃木県大田原市生まれ。ご両親が竹工芸を仕事にしている家庭で育ちました。東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科を2007年に卒業後、設計デザインの仕事に就きましたが、地域の竹工芸の文化を引き継ぎ次の世代につなげることに意義を感じ、2013年から本格的に竹工芸の制作を始めました。現在は国内の百貨店、ギャラリーへの出品に加え、海外の展示会にも参加し作品を発表しています。
Q1 作品制作へのこだわりについて
手仕事だからできる表現と、素材に合わせた籠作りを心掛けています。
Q2 竹という素材の魅力について
力強さと繊細な面を両方持ち合わせている事だと思います。生えている時は、雪などの力にも耐える力がありますが、細くヒゴへ加工することでしなやかな表情を見せてくれます。また、5年10年と長くお使いいただことで、艶のある飴色へと変化して行き、竹本来の美しさが現れるところも魅力だと思います。
正島克哉さんは1969年福岡県生まれ。高崎芸術短期大学美術科で陶芸を専攻し1994年に卒業、陶芸家佐藤火圭氏に師事しました。1997年に独立し群馬県藤岡市に築窯。2006年に福岡県に工房を移転し工房正島展示室を開設。2016年に現在の岡山県に工房を移転し陶芸制作を行っています。
Q1 作品制作へのこだわりについて
大量生産のモノでも十分用が足りる所にひとりの作り手が少量生産で作ることの意味を考えると、大量生産の商品デザインのようにマーケティングにはじまり、多くの人に向けて作られるモノと違い、作り手個人の中から出てきたモノをそれを共感してくれる人のために、限られた数ではあるがつくる。大事なのは、自分の中から本当に作りたいと思って出てきたモノ、そしてそれを出し続けるその為に普段の生活を楽しむ。その楽しんでいる空気が伝わるようカタチにする。制作自体よりもむしろ制作までの流れにこだわっているかも知れません。
Q2 陶器という素材の魅力について
土と一言で言っても、うっすらと光を透すガラスに近いものから、やわらかそうで温かみのあるものといろいろあり、またその土を形作るにも、足していくことも、引いていくこともでき、作る側からすると、多種多様で幅広く他にはない素材だと思います。作りたいものに合わせて土を選ぶこともでき、ともすれば強引なデザインに陥りやすいが、受けての側からすると目で見て、手で持った時に感じられるなんともいえない質感、重量感、温度感が陶器の魅力。その魅力を引き出すためにも素材にさかわらずにつくる意識が必要だと思います。
「Glam Wave - アキノヨーコ+佐川岳彦+正島克哉 作品展 -」
期間:4月25日(水)-5月10日(木)
休業日:5月2日(水)
参加作家:アキノヨーコ(ガラス)佐川岳彦(竹)正島克哉(陶器)
営業時間:13:00-19:00
会場:MIGO LABO
住所:東京都目黒区五本木2-42-1
TEL:03-6303-3281